あらためて教養とは (村上 陽一郎) ★★★ [読書]
村上陽一郎さんの本だと、ふと手にして買ってしまいました。二度ほど会話を交わしていただいた記憶がありますが、この本を読んで”ああ、こういう感じ”だと改めて思いました。「安全学」も読みましたし、STSの分野でも必読の方です。 『教養』とは何か。「世間に埋もれながら自分を高く持すること。それを可能にしてくれるもの」だと、巻末の「教養のためにしてはならない百箇条」の中で著者は言う。この百箇条はなかなか楽しい。その根本をなすのが、何度も出てくる『規矩』(きく)、つまり「分に過ぎた」ことはしないという”ものさし”。ディーセンシ―。
ギリシャやローマの”古典”はイスラム世界からキリスト教世界にやってきたとか、それが大学誕生のきっかけになったとか、ラテン語などの意味まで楽しい話が満載です。リベラル・アーツの意味も。
そして村上陽一郎さん自身を育てた書物たち。夏目漱石と宮沢賢治、そして藤沢周平と山本周五郎。現代作家では北村薫さんの名前が出てきます。
もっと教養を身につけたいと思うのですが、遅すぎたかな。
谷島屋書店で購入。
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