白雲の彼方へ (山上 籐吾) ★★★ [読書]
本屋で見かけて気になりました。静岡県出身作家のデビュー作で掛川藩が舞台。橘耕斎(たちばな こうさい)については何も知らなかったですけど。 掛川藩士の増田甲才は、剣の腕はそこそこだがはまだ部屋住みの身。親友の与一郎と久しぶりに呑んだ帰り、与一郎の妹の奈津にも久しぶりに会う。時代は幕末、掛川藩も開国派と攘夷派に分かれ始めていたとき、甲才は伊豆の戸田へ派遣されることになる。ロシアのプチャーチンが乗ってきたディアナ号が沈没し、戸田でロシア船を造船しており、将来の掛川藩のため勉強してこいと。密命だから、名は橘耕斎ということででかけろと。帰ってきたら奈津を嫁にするとの思いを秘めて、甲才は戸田に向かう。戸田では様々な藩の武士たち、船大工、そしてロシア人たちがいた。
一気に読めるし、静岡県内の幕末の雰囲気も味わえるし、面白かったです。”異聞”だから、世間で言い伝えられている橘耕斎とはちょっと違うのだろうけどね。ネットで調べたら、やはり橘耕斎の情報ありました。巻末にも少し載ってますけど。静岡県民は必ず読んでおいてください。幕末とロシアで卒業論文を書きたい人も(笑)。
市立図書館で借りました。
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