影山さんですよ～: シックスポケッツ・チルドレン（中場利一）　★★★: SSブログ

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シックスポケッツ・チルドレン（中場利一）　★★★　[読書] [編集]

　図書館の新着コーナーで手にとって、面白そうなので借りてみた。「岸和田少年愚連隊」という本でデビューした人らしい。なんか聞いたとあるなぁ。
　山内信（まこと）は田尻町（大阪府かな？）に住む小学5年生、渾名はヤンチ。父・一夫もヤンチ。語り手は子どものヤンチだが、話はだいたい二人のヤンチの暴れぶり？を中心に進んでいく。ジーエやヨコワケ、それ以外の友達もいろんなキャラがいる。父ヤンチは、その日が楽しければそれでいいという主義だが、憎めない奴。というより、結構愛すべき人物だな。女と酒とケンカと賭け事ばかりだけどね、意外とツボを押えた子育てをしているように感じられるから不思議だ。母の静子はあきれて時々家出しているけどね。
　ヨコワケが父ヤンチにケンカを習いに来るシーンをはじめ、各章でのエピソードは結構心に残るよ。でも、隠れて家の外でタバコを吸ってみる小学5年生の息子を見つけて、「男ならどうどうと家の中で吸え」といってしまう父ヤンチだからね（そういわれるとかえって吸えなくなるというのだけど）。極めつけは、次の文章。
　子供のケンカに親も兄も出まくりである。それはヤンチの家に限ったことではない。他の家もこの近所はみんなそうだ。親は子供に干渉するもの。干渉して何が悪い。そのかわり世界中が敵になっても守ってやる。
そうそう、「シックスポケッツ・チルドレン」は「一人っ子たち」ということです。一人っ子は、父、母、祖父母計6人のポケットを持っているからだって。

市立図書館で借りました。
　