典子44歳 いま、伝えたい 「典子は、今」あれから25年 (白井 のり子) [読書]
実は、映画「典子は、今」を見ていない。当時、かなり評判になったことはよく憶えているけどね。最近、サリドマイドのことを少し調べたところに、この本が出ていることを知り、手にとってみた。
典子さんは、両腕を失って生まれてきたサリドマイド児。あの当時は森永砒素ミルク事件とか、口にするものから公害までたくさん起こった。サリドマイドは睡眠薬などに使われていたが、催奇性があることが判明し、販売中止、回収となったが、我が国では欧州より半年以上遅れた。回収もずさんだった(アメリカでは1人の女性の活躍で市販される前にストップされている)。
典子さんの、いまだから伝えたいことのたぶん一部がここに書かれているのだと思います。母ひとり子ひとりの家庭、小学校、中学校、高校、就職、映画出演、結婚、出産、子育て、仕事。普通に、でも人一倍頑張って過ごしてきたことが伝わってきます。
特に印象に残った点が二つ。小学校の入学式での校長先生の挨拶で、はじめて自分に手がないことを意識したというくだりと、「わたしは、自分が障害者である、と思っていません。でも、人はわたくしを障害者として見てしまう-このギャップを現実のものとして受け止め、なおかつ健常者と同じレベルで生きようと、開き直ることが出来るまでには相当の時間がかかりました。」という言葉です。
市立図書館で借りた
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