東京奇譚集 (村上 春樹) [読書]
初の村上春樹です。なぜか今まで読んでいなかったけど、ノーベル賞受賞する前には読んでおかないと(笑)。
良かったし、すごく考えさせられました。特に、「日々移動する腎臓のかたちをした石」。父親が淳平に言った”男が一生に出会う中で、本当に意味を持つ女は三人しかいない。それより多くもないし、少なくもない”という言葉。淳平は短編小説家になり、キリエに出会う。しかし、しばらくしてキリエは忽然と姿を消してしまう。”キリエは二人目の女だったのかもしれない”。
自分はどうなんだろうって考えてしまいました。まだ誰にも出会っていないのかもしれないし、もう三人とも会ってしまったのかもしれない。会ってしまったのなら、誰がそうなのか。。。出会った人たちはみんな意味を持つとは思うけど、”本当に意味を持つ”とはどういうことなのだろう。別に惚れたとかいうことにかかわらず出会った人の中に重要な人がいるんだろうなと思う。
その他、少しずつ不思議な話があと4編。「偶然の旅人」は、偶然の不思議な話。「ハナレイ・ベイ」はハワイでサーフィン中に亡くなった息子の母親の話。「どこであれそれが見つかりそうな場所で」は行方不明になる入り口を探す話。「品川猿」は自分の名前を忘れてしまうOLの原因をさぐる話。それぞれ味わいはあるけど、インパクトはそれほどでもないかな。でも、別の作品を読んでみたいとは思いましたよ。
市立図書館で借りました
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初の村上春樹ですか!自分は修士課程のときに突然、村上春樹に目覚めて、研究そっちのけで過去の作品を読み漁りました…(^^;;。はまると大変ですよ。
自分は『東京奇譚集』の中では「品川猿」が一番印象に残っています。収録作の中でいちばん「村上春樹っぽい…」と思ったからだと思います。
by sa-san (2006-08-08 11:21)
そうかぁ、はまると大変なのか。まだどういうのが村上春樹っぽいのかわからないけど、はまらない程度に少しずつ読んでみようかな。
by kage (2006-08-10 08:11)