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国家の品格(藤原正彦) [読書]

 この本、いまベストセラーになっているんですねぇ。こういう本が売れるということは嬉しいのですが、講演録をもとにしているので読みやすいから売れるというのもなんかねぇ。 
 1年前くらいだったかな、藤原先生が静岡で行った講演会もこんな話で、大変面白かったしうなずける内容だったですよ。新田次郎を父に、藤原ていを母に持つのに数学者というのも面白いのですが、「若き数学者のアメリカ」「遥かなるケンブリッジ」などの素晴しい著書もあり、正論などを読んでいてもさすがだなぁと思うので、今回も期待して手に取りました。
 ポイントは、「論理だけでは破綻する」ということと「卑怯を憎むこころをきちんと育てる」「美的情緒が大切だ」ということだと思います。数学だって正しいか正しくないかを論理的に判定できない命題が存在するのです(証明されているんだけど、いったいどういう証明かみてみたい気がする。たぶん理解できないと思うけど)。とくに論理の出発点が違えば帰結も違うのは当たり前ですよね。また、何かをしてはいけない理由は「卑怯だから」。これは立派な理由です。論理ではないですよね。「美的情緒」もフムフムです。読みやすいので是非ご一読ください。
 途中、「国民は永遠に成熟しない」という言葉がでてきて、まさにわが意を得たり!でした。最近、大学でそんな議論をしてたのでね。
 しかし「品格」っていい言葉ですね。国家だけでなく我々個人個人も品格を持って一日一日を過ごしていきたいと思います。

国家の品格

国家の品格

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 新書


2006-01-15 09:57  nice!(2)  コメント(7)  トラックバック(4) 
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コメント 7

ゾウ

卑怯を憎むこころをきちんと育てる
ですか。。。なるほど。。。
本の題名だけで ちょっと 難しい内容な気がしてしまいました。。。
いまを受け入れることから 
これって 結構難しいんだなあって思うゾウ。 
by ゾウ (2006-01-15 12:56) 

百合

なんだか難しいような気もしますが読みやすいと言うkageさんのコメントを
信じて読んでみようかしら?
kageさんの所にお邪魔するようになって読みたい本続出です(笑)
by 百合 (2006-01-15 18:06) 

kage

>ゾウさん
難しくないですよ。でもどこかで講演聴く機会でもあれば、藤原先生は面白いですからお薦めですよ。
「今週のひとこと」は実は難しくて自分でできないことばかり。「今週の目標」です。で、「僕は僕らしく」も「あせらないあせらない」も全然できていない(笑)。

>百合さん
どうぞどうぞいっぱい読んで感想をお聞かせください。「なんだーつまらなかったー」というのもあるかもしれませんが。何かのためではなく、ただ単に面白そうだから本を読む。それがとっても素晴しいことだと思っています。
by kage (2006-01-15 22:47) 

ゾウ

この本 昨日偶然本屋さんで見かけました。
でもゾウ 違う本探してたの・・・。
脳のやつ!!なのに見つからない(*_*)
やはりアマゾンかなあ。。。
by ゾウ (2006-01-17 00:35) 

kage

脳のやつ、ありませんでしたか?
静岡では、結構目立つところにたくさんありましたけど。「脳」は結構ブームみたいですね。任天堂DSとかも含めて。みんな脳を鍛えたいのかなぁ。
僕も実は茂木さんの本をもう1冊買っちゃったんです。「クオリア降臨」というタイトル。「脳はなぜ心を震わせるのか?」なんて帯に書かれるとつい手に取っちゃうじゃないですか(笑)。
by kage (2006-01-17 00:45) 

ゾウ

あ~。もう・・・。ゾウが一冊も見つけられないのに、また新たな・・・。
やっぱり アマゾンですなあ!
by ゾウ (2006-01-17 01:33) 

kage

あっ、そうそう。アマゾンで頼むなら、私のブログのところからお願いします。アファリなんとかだかになっているそうで。どうなるかよくわからないけど楽しみ(笑)
by kage (2006-01-17 20:15) 

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