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ボギー、愛しているか(伊藤たかみ)&クワイエットルームにようこそ(松尾スズキ) [読書]

 また芥川賞候補作を2つ。伊藤たかみさんという方は全然知らないので読むのは初めてです。(「群像12月号」)。
 う-ん、よくわからない。。。というのが正直なところです。中学時代からの親友である飯島と加藤は、二十万円で哀しみを買いに、愛を取り戻すためにW島をめざす。その背景として、飯島とその妻の関係、ボギーこと今は亡き友人?保木のことを長々と綴っていて、結局は・・・という話なのですが、まぁ候補作らしいといえば候補作らしい。
 飯島は妻と顔を合わせるのが苦手になっているのだが、愛していなくなったわけではない。帰宅したくなくなる=家に居場所がないと感じる人の理由や背景は実にさまざま。なんとなくわからんでもないけど。結局どうなるのかなぁ。ホントよくわかりません。
 魔法使いサリーの「マハリクマハリタ」とタガログ語で”もっともっと愛している”を意味する「マハルナマハリキタ」との関係とか、天才バカボンは「ヴァガボンド」(放浪)と関係あるのかなど、ちょっと調べたくなりましたけどね(笑)。

 さて、「クワイエットルームにようこそ」(文学界7月号)。上のほうの図書館で1時間弱で読みました。「クワイエットルーム」は、精神病棟で、人に迷惑をかけるダメな人が入る部屋のことだそうです。ということで、オーバードーズ(overdose)で精神病院に入れられてしまった主人公が退院するまでの様々な出来事を描いています。友人Kさんがいうように、つい笑っちゃいます。でもね、ペーソスを感じるというのかな、悪くないです。
 また、「明るさは鬱にはうざい。けど、存在は消しているのに頑張ってくれているのはわかるという、その距離のある努力は励みになる」と主人公が彼のことを評しているのが、そうだったのかぁと思いました。なんとなくですけどね。
 単行本も出たようです。

クワイエットルームにようこそ

クワイエットルームにようこそ

  • 作者: 松尾 スズキ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 単行本


2006-01-17 00:38  nice!(1)  コメント(9)  トラックバック(0) 
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コメント 9

友人K

私は清水博子「vanity」(新潮10月号)に取り掛かっています。なかなか読み進められず、今日は半分残して寝ます。典型的な早稲田大卒の女性(ワセジョ)がどうとかという話なのですが、私にはさっぱり分かりません。ブランド名をあえて書かずに「欧州で紳士のスーツのシェアがトップのメゾン」などと表現していて、こういうのもさっぱり分かりません。作中で「なんとなくクリスタル」に触れているなら、ブランドの注釈を付けてよ!康夫ちゃんはもっと親切だよ!と嫌味のひとつも云いたくなりました。こうやって読者をイライラさせるのが狙いなのかも知れないとまで思ってしまいました。とりあえず、何だか悔しいので明日最後まで読みます。
by 友人K (2006-01-17 00:59) 

kage

明日は17日、芥川賞と直木賞の発表ですので、夕方までに読みましょう(笑)。「Vanity」と「どうで死ぬ身の・・・」はチラッとみてとっかかり悪そうな気がして後回しにしてあります。候補作4つ読んだ中では、私の評価は①銀色の翼、②クワイエットルームにようこそ、③沖で待つ、④ボギー、愛しているか、の順です。きっと当たらないと思うけど。ちなみに直木賞候補の方は、同点①容疑者Xの献身&死神の精度、③蒲公英草紙、④あの日にドライブ、かな。あとの2つは結局予約状態のまま。荻原さんは「明日の記憶」が断然よかったんだけどなぁ。
by kage (2006-01-17 01:17) 

友人K

予想なら、
本命:沖で待つ
対抗:クワイエットルームにようこそ
穴:どうで死ぬ身の一踊り です。
個人的には、どうで死ぬ身の一踊りが気になって仕方ありません。
銀色の翼も読んでみたかったのですが、時間切れです(涙)。
by 友人K (2006-01-17 01:26) 

kage

参りました。「沖で待つ」でしたね。的中おめでとうございます!
直木賞も容疑者Xの献身でした。
また別途詳しく書きます。いまはまだ残業中なので・・・
by kage (2006-01-17 20:13) 

友人K

kageさんも、『容疑者Xの献身』的中ですね。おめでとうございます!
芥川賞でも直木賞でも、とにかく文壇は絲山さんに何か賞をあげたかったのですよ、きっと。
絲山さんの小説に登場する女性は、女らしい(とされている)言葉を使わないところがいいな、と思います。OLというよりサラリーマンっぽい人が多い。私はそんなところが好きなのだと気がつきました。
by 友人K (2006-01-17 23:52) 

kage

おっ、そうだ。一応当たりか。死神の精度とダブル受賞してほしかったけどね。
絲山さんはよくわからないんだけど、なんとなく読もうかという気にはなるかな。今回のは読みやすかったことは確かだし。うちの娘もそういっていた(今回はノーマルだったし)。WEBサイトをみたら、今日は文春と朗報を待っていたようですね。
by kage (2006-01-18 00:45) 

ゾウ

すごいなあ。
いつも 友人Kさんと Kageさんの やりとりを 読んで 詳しいなあ すごいなあと関心してばかり・・・。
ゾウももっと勉強しなくっちゃ・・・
by ゾウ (2006-01-18 20:52) 

kage

いやいや、勉強するようなものではありませんよ。面白ければ読む。それだけです。それに、私は友人kさんほどは年季が入っていませんから(笑)。まだ駆け出し読者です。
by kage (2006-01-18 22:07) 

友人K

>ゾウさん
私は、読みたいと思ったから読む。それだけです。ゾウさんもkageさんに触発されて読みたいと思ったら軽い気持ちで読んでみてください。
何の予備知識もなく読んで面白かったものもありますが、今は仕事に追われて時間がないので、なるべく評判がいいものを読んでいます。芥川賞・直木賞候補は、本読みを仕事としている人たちが読んで選んだものですから、面白さは保証済みといってもよいでしょう。特に芥川賞候補は短編だし、新人を発掘する喜びもあるので、読んでみようという気持ちになります。
kageさんがいうほど、年季は入っていませんよ(笑)。第126回(2001年下半期)長嶋有 『猛スピードで母は』くらいからです。長嶋有さんの2冊目『タンノイのエジンバラ』を読んだら、今まで感じたことがなかったくらいにしっくりきたので、こんな感覚をもっと味わいたいなと思って、以後いろいろ読んでいます。
by 友人K (2006-01-19 00:57) 

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