県庁おもてなし課 (有川 浩) ★★★★★ [読書]
有川さんの新作は高知県が舞台!これは仕事の面でも大いに役に立ちますぞ。
掛水史貴、25歳。発足したばかりの、高知県庁観光部おもてなし課の若手職員である。まずは「観光特使」という、どこでもやっていることから始めたのだが、メールでお願いしたうちの一人、高知県出身の作家、吉門喬介(よしかど きょうすけ)から、趣旨を電話で説明するようにメールが入る。電話をしてみると、吉門は気だるそうに「制度の実効性がわからない。高知県の個性をどう出すのか」という。何も考えていなかった掛水は答えられない。その後も、「34日間連絡なしだと、普通は話は流れたと思うよ」「民間感覚が欠けている」「あんたたち、自分の都合しか見えていないんだよ」と、投げやりではあるが郷土愛からの?発言を受ける掛水。それでも必死にくらいついて成長していく掛水。そして「パンダ誘致論」を調べたことをきっかけに明神多紀と知り合い、清遠和政を知る。そして、和政の娘、佐和も。
実に面白い。面白いうえで、忘れてはいけない大事なことがいっぱい盛り込まれている。「効率の悪い仕事をしていないか」「県庁の自己満足に終わっていないか」「客はタダだったら何でも持って行ってくれるわけではない」「公のものだから競争がないっていうのは幻想だし甘え」。。。自戒すべし。
戸田書店静岡店で購入
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今頃ようやく読みました。仕事柄、胸にグサグサと突き刺さるエピソードが満載でしたが、とても面白かったです。
読み終わってからkageさんの評価を見たのですが、高評価で、何だかとてもうれしいです。
個人的には、仕事に行き詰った時にまた読み返したいな、と思いました。
by sa-san (2012-02-26 01:00)