影山さんですよ～: のぼうの城（和田竜）　★★★★: SSブログ

	ブログをはじめるログイン

のぼうの城（和田竜）　★★★★　[読書] [編集]

　直木賞候補になった作品。著者のデビュー作とのことですが、結構面白いですね。武州忍城の話も知らなかったので新鮮でした。　秀吉の小田原攻めにあたって、北条方である武州忍城城主の成田氏長は、小田原城に籠城するも秀吉方に降る予定でいる。城代をまかされた叔父の泰季は病に倒れ、その子の長親、通称”のぼう様”がその任につくが。。。
　”のぼう”とは”でくのぼう”とのこと。領民に”のぼう様”と呼ばれ親しまれている？長親のキャラクターが光っているし、友であり家老である正木丹波守利英、軍略にすぐれた家老の酒巻靭負（ゆきえ）、豪腕家老の柴崎和泉守、美貌と武力の持ち主である甲斐姫など、のぼうを取り巻く面々が個性豊かで楽しい。対する石田三成も人間くさくてとてもいいですし、戦のシーンも臨場感あります。
　ただ、ひとつ残念なのは、駿河国を現在の静岡県東部としてしまっていること。江尻湊、清水湊ですから、まぎれもなく現在の静岡県中部です。

　娘が学校の図書館から借りてきたのを又借りしました。