氷結の森 (熊谷達也) ★★★ [読書]
お気に入りの小説「相剋の森」と直木賞受賞作「邂逅の森」に続くマタギ三部作の三作目のようですが、マタギの生活は全然出てこない。。。
時代的には「邂逅の森」の後くらいのようです。日露戦争の後、シベリアにも革命の風が吹いているとき。主人公はマタギをやめて北に出奔してきた柴田矢一郎。舞台は樺太、そして間宮海峡を渡った先、シベリアの尼港(ニコラエフスク)。正直なところ、戦前には樺太はともかくシベリアにまで日本人街があったことも知らなかったので、そういう点でも興味深く読めました。熊谷さんの小説はホント背景がしっかり書き込まれていて読み応えがあります(勉強になる)。
ちょっと矢一郎が人間として強すぎるんじゃないかと思うけどね。まるでハードボイルドの主人公みたいです。矢一郎を愛する香代、ニブヒのタイグークなども素敵だし、中国人街のボス(孫さん)とジャコの谷口善助とか、人情に厚い?悪い奴らもキャラがいいです。
市立図書館で借りました。
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