第九の日 (瀬名 秀明) [読書]
「デカルトの密室」の前後シリーズです(連作短編)。難解な部分はあるけれど、僕は結構好きです。
作者は静岡市瀬名出身の方ですが、「パラサイト・イヴ」(僕は読んでいない・・・)以来様々な小説や科学評論などを出されていますね。
物語のほとんどは、尾形祐輔とケンイチ(祐輔が作ったロボット)の視点で描かれていく。唯一、最後の”決闘”だけが高井さんという薬剤師の視点になっている(ここではじめてケンイチの外見が語られているのが興味深い)。ケンイチと暮らす科学者、一ノ瀬玲奈は祐輔の恋人(という雰囲気は感じさせないけど)。祐輔と玲奈はケンイチを見守りながら、ケンイチにいろいろな体験をさせる(意図していない場合も多いけど)。表題作となっている「第九の日」は特に意味深い(感じ)。ロボットの”心”がテーマです。ただ、僕は祐輔の心の動きが理解できる段階に達していない。。。”自己”とか”自我”の問題の存在は理解できるけど。やはりデカルトかな・・・
ちなみにこの本の英語タイトルは、The Tragedy of Joy=歓びの悲劇。
「第九の日」は、「デカルトの密室」を読んでからのほうがいいですよ。
市立図書館で借りた
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