SSブログ

第九の日 (瀬名 秀明) [読書]

 「デカルトの密室」の前後シリーズです(連作短編)。難解な部分はあるけれど、僕は結構好きです。
 作者は静岡市瀬名出身の方ですが、「パラサイト・イヴ」(僕は読んでいない・・・)以来様々な小説や科学評論などを出されていますね。
 物語のほとんどは、尾形祐輔とケンイチ(祐輔が作ったロボット)の視点で描かれていく。唯一、最後の”決闘”だけが高井さんという薬剤師の視点になっている(ここではじめてケンイチの外見が語られているのが興味深い)。ケンイチと暮らす科学者、一ノ瀬玲奈は祐輔の恋人(という雰囲気は感じさせないけど)。祐輔と玲奈はケンイチを見守りながら、ケンイチにいろいろな体験をさせる(意図していない場合も多いけど)。表題作となっている「第九の日」は特に意味深い(感じ)。ロボットの”心”がテーマです。ただ、僕は祐輔の心の動きが理解できる段階に達していない。。。”自己”とか”自我”の問題の存在は理解できるけど。やはりデカルトかな・・・
 ちなみにこの本の英語タイトルは、The Tragedy of Joy=歓びの悲劇。
 「第九の日」は、「デカルトの密室」を読んでからのほうがいいですよ。

市立図書館で借りた

第九の日 The Tragedy of Joy

第九の日 The Tragedy of Joy

  • 作者: 瀬名 秀明
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/06/21
  • メディア: 単行本


2006-09-22 06:53  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。