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第10回 静岡 アジア・太平洋学術フォーラム第2日目 [雑記]

 さて、今日は午前中は基調講演が2つ、午後は第3セッション「「陸のアジア」「海のアジア」-日本は大陸国家とどう付き合うか」に参加しました。
 第3セッションの座長は渡辺利夫先生(拓殖大学学長)です。このフォーラムには最初からずっと関わっていただいております。アジア研究、特に開発経済学では日本の権威の一人です。今年の4月から学長になられて一段と忙しくなられてしまって、今日も交流会に出られず広島に向かわれました。今日は渡辺先生もプレイングマネージャーとしてご自身の東アジア共同体に対するご意見を披露されました。それはアジア共同体の危うさを論じ、「予見すべき将来に成立すべきものではない」とのご意見です。共同体は共同市場ということであり、共同市場ということは①域内関税自由化、②対外的な共通関税、③労働・資本の自由移動、を行うということ。それができるか。また、発展段階が異なり、政治体制・安全保障の枠組みも異なり、価値や理念が違う国々だということをあげられています。全く同感です。
 松本健一先生(麗澤大学教授)は、このフォーラムには久しぶりの登場です。昨年出された「砂の文明・石の文明・泥の文明」は私のお気に入りの本です。交流会でお話したら、やはりその本が好評で、今度は”泥の文明”の話だけで1冊書くようにいわれて、いま3分の2くらいまで書いたところだそうです。これもとても楽しみです。今日もいろいろ面白い話をされていましたが、特に印象に残ったのは次の二つです。一つ目は、アジアには自分たちで解決するための調整機能、機関がないということ。西洋がつくった調整機関では”アジア的要素”が考慮されない。経済危機でのIMFの対応がまさにその例。二つ目は、国際的グローバルコミュニティに”コメ”が出てこないということ。2025年には世界の人口の半分がアジアになるにもかかわらず、です。
 中村羊一郎先生(静岡産業大学教授)と木村幹先生(神戸大学教授)もわかりやすい話をしてくださいましたが、やはり面白いのは呉善花先生(拓殖大学教授)です。「スカートの風」で有名ですが、昨年に引き続きの登場です。「日本は一見儒教社会に見えるけど、儒教では理解できない」という話、日本の韓流ブームは韓国では反日ブームに利用されているということ、韓国の本音は親中・親北・親露であるという指摘まで。中でも韓国で300万部を売るベストセラーになった「日本はない」という本の話にはみんな吃驚です。
 日本は韓国と同じように靴を脱いであがるけれど、韓国人は靴を進行方向に脱いだままにするけど、日本人は体をひねって靴の向きをかえ、また体をひねって室内に入る。だから日本人は心がねじ曲がっているという解釈になるそうです。もう文化の違いだけでは片付けられないような気がしますね。個人は好きになることがあっても、日本人という塊を好きになることはないようです。
 今日のフォーラムも時間がなくなって質問するチャンスがなかったのが残念でした。まぁ、でも交流会でたくさんの先生方とお話できたので良しとします。いつもお世話なりっぱなしの末廣昭先生(東京大学教授)には「なんだ、オレの話は聞かなかったのか」って怒られちゃったけどね。同時に2つのセッションがあるのだから仕方ないですよね(苦笑)。


2005-12-03 22:34  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
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