かけら (青山 七恵) ★★★ [読書]
一昨年、芥川賞を受賞した青山さんの新作。この美しい文章で、川端康成文学賞を受賞しました。三つの短編がおさめられています。
「かけtら」・・・家族全員ででかける予定のさくらんぼ狩り日帰りバスツアーに、父と二人で行くことになってしまった桐子。一眼レフカメラを抱えてバスに乗り込んだ彼女が通っている写真教室のテーマは”かけら”。父の様子があらためて気になりなる。
「欅の部屋」・・・”僕”はもうすぐ華子と結婚する。ところが最近、以前付き合っていた小麦のことを思い出すことが多くなる。小麦は背が高く骨太で、小麦色の肌をしていて、口数が少ない女だった。
「山猫」・・・新婚の杏子のところに、西表島からいとこの栞が進学の検討のために大学を見に行きたいと上京してくる。数日間の滞在中、静かではっきりしないように見える栞を大学見学や観光に連れていく、杏子と夫の秋人。
いずれもちょっとした出来事が描かれているだけですが、文章が美しいためか、やさしく温かい感じがします。
市立図書館で借りました。
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