震度0(横山秀夫) [読書]
阪神大震災と同じ日に起きた県警本部の激震。ただし「震度0」という比喩はしっくりこない。
県警警務課長の失踪事件が様々な出来事、警察内部の人間模様とからむ。最後にそれらは一つの糸となり、一気に読ませる後半~ラストも読み応えあって心地よい。
だけど、物足りなさも伴う。なぜだろう?「半落ち」のときのような大きな感動までにはいたらない。肝心の警務課長夫妻のこころの描写が少ないせいなのかもしれません。それでも警務課長本人のこころは判る気がしますけど、奥さんがほんとうにどう考えているのかはよくわからないな。
それにしても恐ろしいなぁ。毛髪や指紋でそこに誰がいたかわかっちゃうし、Nシステムでどこを通るかもわかる。悪いことできないなぁ(いや、別に後ろめたいことしているわけではありません)(笑)
念のためにいっておきますと、個人情報保護とかプライバシーとか騒ぐよりも、こういうシステムをしっかり確立して、悪いことできないなぁと思わせるのには大賛成です。個人のプライバシーより安全・安心の確保が大事にきまっているじゃあないですか。もちろん、職業上知りえた秘密を悪用した場合は死刑にしましょう。
2005年、朝日新聞社
市立図書館で借りた
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