命もいらず名もいらず 上・下 (山本 兼一) ★★★★ [読書]
直木賞作家、山本さんの新作は、山岡鉄舟の生涯を描いています。この前、駿府博物館の展示見そびれたのが、いまさらながら悔やまれる。
山岡鉄舟(小野鉄太郎)は江戸に生まれ、幼少を父の赴任地、飛騨高山で過ごす。父の死後は江戸に戻るが、兄ともうまくいかず貧乏暮らし。しかし、剣の道をに励み、やがて槍の達人、山岡静山と出会う。静山の死後は山岡家を継ぎ、身分の低い幕臣ながら、幕末を忠臣として貫き、徳川慶喜に仕える。徳川家とともに駿府に移り、静岡藩政に力を注ぐが、西郷と勝から頼まれ、10年間の約束で陛下の侍従となる。剣と禅、書など常に修業の一生であった。
と簡単に書くと、まぁ、凄い人だなぁというくらいになっちゃうけど、とんでもない人です。”そんな人間がいるものか”というくらい凄いです。そして、豪放。鉄舟の道場のルールは『嘘と泥棒はせぬこと』(これも途中かららしい)。とにかく、人がたくさんやってくる。お金がほしい人にはあればどんどんあげちゃうから貧乏で、酒は借金して何升も飲んでしまう酒豪。とにかく真っすぐな人なんですね。
山岡鉄舟については、浪士組にかかわったことと、駿府で西郷と談判したこと、清水の鉄舟寺、次郎長との交流くらいしかしらなかったけど、幕末~明治の混乱した我が国に大変貢献した方なんですね。上下巻ですけど、大変面白いので是非読んでください。
市立図書館で借りました。
共通テーマ:本
コメント 0