楠の実が熟すまで (諸田 玲子) ★★★★ [読書]
静岡市出身の諸田さんの小説を読むのは実は初めてです。どこかの書評でほめられていたので読んでみました。
大阪、楠葉村出身の御徒目付、中井清太夫は公家の口向役人の不正を暴くために奉行から隠密御用を命じられて京に乗りこんできたが、公家も手ごわく尻尾をつかませない。そして、姪の利津に白羽の矢が立てられた。妻を病気で失った、公家の高屋康昆(たかや こうこん)の後添えに入って、隠密として証拠を探すことになった利津。その期限は”楠の実が熟すまで”。
初めから裏切るつもりで夫婦となる苦しさ。しかも、康昆はやさしく、公家らしくもない好人物。息子の千代丸もかわいい。利津の苦難の結果は・・・。
諸田さんの小説はこんなに人間の機微を表現してくれるのですね。いままで読んでいなかったのが残念です。
市立図書館で借りました。
2009-10-24 22:06
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